速攻で理解する「AIブーム」
こんにちは。今日も張り切っていきましょう。
今日は人工知能の歴史です。
人工知能の歴史は大まかに3つに分類することができます。
これらを順番に見ていきましょう。
~今日の内容~
第一次AIブーム(1950年代〜60年代)
みなさま「人工知能」という言葉がいつ誕生したか知っていますか?
この言葉は1956年にアメリカで開催されたダートマス会議において
アメリカの計算科学者ジョン・マッカーシーさんが初めて使ったと言われています。
実はこの10年前に世界初のアメリカのペンシルバニア大学で世界初の汎用コンピュータ
「ENIAC」が誕生し、人間を超える計算能力を持つことからいずれ人間を超える
コンピュータが誕生するだろうと考えられていました。
ENIACに加えてこのダートマス会議で人工知能という学問が誕生して
「本当にAIが作れるのかもしれない!!」そう期待を寄せた人々が長く険しい
茨の道に足を踏み入れたのです。
最初は機械にチェスやパズルなどの簡単なものを解かせようとしました。
機械に解かせるにはどちらかというと「知的」というものではなく、
コンピュータの計算能力を活かしたかなり力任せのものでした。
パズルなら考えられる手を全て探索してゴールするとか。
しかし、パズルのようにルールが明確で全ての事象を数え上げることができても
世の中には自分たち人間でも予想外の出来事が起こったりします。
これら全てを予測してアルゴリズムを書くことは当然できません。
「パズルとかはなんとか解決できても、現実世界の問題はむずすぎる・・」
パズルのような簡単な問題をトイ・プロブレムと呼び
このトイ・プロブレムを皮切りに第一次AIブームは収束してしまいます。
「いや、無理やんこんなの・・・」
またこの時期にフランク・ローゼンブラットによってパーセプトロンが提唱
されたのもこの時期でした。
第二次AIブーム(1980~1990年代)
トイプロブレムによってAIブームは一旦収束して、1980年ごろから
再びAIのブームは到来しました。
ブーム再来の要因はコンピュータに医療などの専門的な知識を教えると一部であれば
専門家と同じような判断ができると判明したからです。
このような専門的な知識を持ち専門家のように振る舞えるシステムを
エキスパートシステムと呼びます。
このシステムで有名なのが「MYCIN」です。
MYCINとは医療系のエキスパートシステムでスタンフォード大学で
開発されたシステムでこのシステムは血中のバクテリアを500のルールから
基づく質問に答えて診断し、それにあった抗生物質を処方できるシステムです。
「本格的に教えこめばマジで専門家になれるかも??」
こうしてコンピュータに専門的な知識を教え「人に近づける時代」を迎えました。
しかし!!!
エキスパートシステムに大きな欠点があり再びAIブームは収束してしまいました。
原因は大きく3つほどあります。
1つ目は専門的な知識は専門家から仕入れる必要がありますよね。
けど専門家がなかなか教えてくれない!!!という点です。
というのも専門家の知識は長年の経験から得られたものです。さらに
知識量が豊富であればあるほど教えてくれないのです。。。
まあ、気持ちも分からんでもないですよね・・。
2つ目は曖昧な事柄に弱すぎたことと例外に対応できないことです。
医者「お腹は痛いですか?」
患者「あー、ちょっとだけ痛いですね。」
医者「なるほど。(多分これだろうな)」
MYCIN「お腹は痛いですか」
患者「うーん、ちょっと痛いですね。」
MYCIN「ちょっとってなんだ。どのくらいなの・・」みたいな笑
3つめは専門的な知識は明文化されていても常識的な知識は明文化されてなく、
このような知識を利用するのが難しかったからです。
さらに知識を扱う上での知識を共有したり再利用する方法も懸念されて
知識を上手に扱うための意味ネットワークやオントロジーの研究が進みました。
(意味ネットワークやオントロジーはまた次回説明できればなと)
(ちなみにこの第二次AIブームの間にデビット・ラメルハートさんがバックプロパゲーションについて提唱したそうです。)
第三次AIブーム(2000年代〜現在)
この時代で大事なことは「学習」である。
今までは「人間が教えて」いたが、現在は「機械が自ら学習する」技術に
着目している。何と言っても有名なのが2012年にジェフリー・ヒントン氏らが
ILSVRC(画像認識コンテスト)で ディープラーニングを用いたシステムで
圧倒的技術で優勝したことであろう。
ディープラーニングは人間の「眼」のような識別能力を機械に与えて
機械自身が学習することで賢くなっていく。そんなアルゴリズムである。
これを皮切りにディープラーニングの波が押し寄せ、日々様々な研究がなされ
実社会へ様々な分野での実用化が進みはじめている。
ここで懸念されるのが「シンギュラリティ」である。
シンギュラリティ(技術的特異点)というのは2006年にアメリカの未来科学者
レイ・カーツワイルさんが提唱したもので、簡単にいうと
「人間を超える機械がより賢い機械を作ると無限に技術は発展して、人間の手の及ばな
ないことになるよね」という考えである。
シンギュラリティに関しては様々な意見があり、有名なものでは
スティーブン・ホーキング氏「完全な人工知能ができたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」
ビル・ゲイツ「私も人工知能に懸念を抱く側にいる一人だ」などおっしゃっています。
シンギュラリティは本当に訪れるのでしょうか・・まだまだ先のことだと思いますが
せめて僕が死んだ後にしてください笑
参考文献
はじめてのディープラーニング -Pythonで学ぶニューラルネットワークとバックプロパゲーション- (Machine Learning)
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
「AIで仕事がなくなる」論のウソ この先15年の現実的な雇用シフト
参考サイト